GAINARE×Peeba Player’s focus / No.30 FW 岡野雅行 (第2回)

今回のPlayer’s focus Specialは「岡野雅行」選手をFocus!
GAINARE×Peeba Player’s focus / No.30 FW 岡野雅行 (第2回)

スピードを活かしたプレーを得意とする岡野雅行選手。今回は、岡野雅行選手をもっとよく知るため、彼のバックグラウンドを追う。第2回 ガイナーレ鳥取への移籍が決まった岡野選手。彼が期待の星となる。

-ガイナーレ鳥取へ
2009年8月ついにガイナーレ鳥取への移籍を果たす。TSWペガサスとの契約を終了、次の移籍先チームを探していた彼に声をかけたのは、ガイナーレ鳥取代表・塚野真樹氏だった。2人が顔を合わせたのは7月20日、東京都内。
「いきなり電話があって、話がしたいということで渋谷で会いました。そこで、ガイナーレ鳥取が目指しているものを聞いて、目標がしっかりしているなというのが最初の印象です。やっぱり、すでにJリーグにいるチームよりも、下にいるチームの方が、上へ登りたいって気持ちが強いと思うんです。ガイナーレ鳥取はJ2、Jリーグに上がりたいっていうしっかりした目標を持っている。この年になってせっかくやるなら、僕としてもすごいやりがいが欲しいじゃないですか。それに、ガイナーレが頑張ることによって他のJFLを始めとした色々なチームにとっても、いい刺激になるんじゃないかと感じたんです。本当にチームの夢を叶えたいと思いました。」
塚野真樹氏からの、ホームゲームを1度観戦してほしいという言葉を受け、7月25日に対TDKとの試合を観戦。試合の流れやサポーターの雰囲気を確認した。
「すごくいい環境ですね。まずスタジアムのあの近さがいいですね。お客さんが本当に応援してくれてるということが、すごく伝わってくる。25日の試合を見た時、いい雰囲気だな、やってる選手は楽しいだろうなって思いました。応援してくれる人がいるから選手も頑張れるし、やっぱり見てくれる人がいないと。とても愛情を感じる応援に、早くあの中でやりたいなって思いました。」
25日の試合を観戦した時にはすでに入団をほぼ決めていたという岡野選手。塚野氏と再度話をした後、家族とも相談した上で入団を果たした。
「家族も喜んでいた。ここまで僕を欲しがってくれるのは嬉しいしありがたいことですね。だからこそやりたいってのもありましたし、期待に答えないといけないなと思いました。責任感がないとプロとしてやっていけないですよ。下手なプレーはできないなとか、自分が言ったことはちゃんとしないといけないなとか、色々なプレッシャーがあるからやりがいがある。」
8月4日からはチームの練習に参加。チーム内の印象もとてもよかったという。
「とにかく雰囲気がいいなと思いました。選手も若いのにいい子ばかりで。ヴィタヤ監督が選手から信頼されているのがよく分かった。サッカーは監督が全てみたいなところがあるんですが、ガイナーレはみんなが信頼し合っているなというのを1番感じましたね。全員が楽しそうにやっているというか。」
8月8日の対 佐川印刷SCとのホームゲームでは、終盤に出場。
「この試合は、顔見せをするという気持ちで出場しました。コンディションが悪かったんでね。香港では、シーズンが日本と逆なんです。夏がオフなんですよ。夏にサッカーをしているのは日本と韓国だけです。だから、自主トレはしていたんですが、実践を1カ月近くしていなかったので、練習に入ったとたん体がボロボロになりました。それでも、あの試合のいい雰囲気が思った以上に走らせてくれたし、毎日練習をこなしていたら、体も徐々に慣れてきました。ただ、怪我だけは気をつけないとね。8日の試合は、すごい楽な形でボールを出してもらったりしたので、選手に感謝しています。」
岡野選手の加入により、ますます期待が高まるガイナーレ鳥取。優勝は目前だ。
「今が本当大事だと思います。最近アウェイで勝てていないけど、気持ちの問題でしょうね。ホームはたくさんのサポーターがいて、みんな応援してくれるけど、アウェイに行くと、グラウンドの環境も違うし、お客さんは敵ばっかりだし、そういうところの慣れかな、と。だから、僕がそこをケアしていこうと思います。どこに行っても同じように戦えないといけないんで、ラストはそこだけじゃないですかね。いいサッカーが出来るチームなのに、この順位にいることが不思議でしょうがない。きっとJ2のチームより強いですよ。多分、勝てるだろうとか甘い気持ちでやっているから負けてしまうと思うんです。アウェイなんてホームより気を引き締めてやらないと、向こうだってホームで負けるわけにはいかないですから。ホームでの戦い方がアウェイでも出来れば、間違いなく順位はどんどん上がります。接戦なので、後は一戦一戦どれだけ出来るかですよね。優勝争いも絶対最後までもつれますよ。J1だって、優勝争いは何十点と離れていても最終戦までもつれますから。追いかけているチームの方が力をつけるのが早いと思うんです。だから、上にいるチームはだんだんとプレッシャーになってきますよね。ガイナーレも勝ち点さえ取っていけば優勝できると思うし、ここからが大事です。」
追いかけているチームの方が全然強いから、上にいるチームはだんだんとプレッシャーになってきますよね。だから、ガイナーレも勝ち点さえ取っていけば、優勝できると思うし、ここからが大事です。」

-岡野雅行という名の野人
岡野雅行選手といえば、【野人】という愛称で親しまれている。この【野人】というあだ名は、どこでどういった理由で名づけられたのだろうか。
「初めて浦和レッズに入団して最初のキャンプがオーストラリアだったんですが、海外に行ったことが無かったので友達に『オーストラリアってどういうところ?』って聞いたんです。その返事が『暑いらしいよー』だったので、すぐ渋谷に買い物に行きました。リュックサックとタンクトップと短パンと草履を買ったんです。『よし!』と思ってこの格好に上着だけ羽織って空港に行ってみると、みんなスーツ姿なんですよ。『お前何しに行くんだよ』ってみんなから言われて、その時、GKだった選手が『お前野人みたいだな』って言ったんです。たまたま僕たちの近くでその会話を聞いていたマスコミの人が『それ面白いね』ということで、小さな記事に【レッズに野人、入る】みたいな見出しで記事を書いてくれたんですね。それからJリーグが開幕して、レッズが7連敗したときがあったんです。僕、対 名古屋戦のホームゲームに出場した時に、初めて点を取って勝ったんですよ。そうしたら、今度は【野人がレッズを救う】みたいな記事が一面で出たんです。そこからもう定着しました。だから、ご飯とか食べに行ったときによく言われるのが、『岡野さんって、レッズの野人にそっくりだよね』って。野人っていう名前が先行してしまって、岡野を誰も知らないんですよ。それと、中学校のときの同窓会。その時は【デカビタC】のCMとかにも出ていたし、みんな知っていると思い込んでいたんです。気を遣ってサッカーの話をしてこないんだなーと思っていたら、みんな酔っ払いだした頃に『岡野ってさ、レッズの野人にそっくりだよね』って。本当に知らなかったのかって驚きました。先生は知っているから笑っていたんですけど。僕は中学の時まじめにサッカーをしていなかったから、まさか僕だと誰も思ってないわけですよ。『お前意識してんの?』とまで言われちゃいましたから。そのくらい野人が先行してしまったわけですが、その分やりやすい面もあるんです。イメージってあるでしょう。能括(川口能括選手)とか大変だと思いますよ。見た目とかもまじめそうだし、ちょっとでも変なことをするとすぐに色々と書かれてしまうけど、仮に俺が同じことをしたとしても『野人だからしょうがないだろう』ってかわせちゃうわけです。だから、何やってもオッケーではないけど、そういう部分で楽というか。子どもたちとか面白いですよ。レッズは練習場が全部金網なんですけど、そこを通ると外から『野人がいるよ!』って子どもの声がする。まるで動物園みたいだよね(笑)こういうのが親近感湧く良いきっかけだったりするんです。昔のレッズはとにかくまじめで、みんな同じような髪型の中、僕だけ長髪だったんですが、入団当初はずっと切りなさいって言われていました。でも、野人って呼ばれるようになってからは切るなって言われましたからね。そこからは何をしても何も言われなくなった。やっぱりイメージなんですよね。」

-久しぶりの山陰
高校の時、島根県で学生生活を送っていた岡野選手。今回、ガイナーレ鳥取に移籍するにあたって久しぶりに山陰に戻ってくることとなった。
「鳥取に来た時、川が流れていて、畑や山があって、海があって。『うわー、すげぇ綺麗なとこだな。』って本当に思いました。すぐご飯も食べに行ったんですけど、魚が美味しいっていうのが印象でした。きっと水が綺麗だからなんでしょうね。」
とにかく自然が大好きだという彼。これから少しずつ鳥取を観光していきたいという。
「自然はもう大好きですよ。野人なのに自然嫌いだったらヤバいじゃないですか。虫とか嫌だ、とかね(笑)そんなことないですよ、大丈夫です。(7/10のオフの日に)車を借りることができたので、鳥取砂丘には行ってきたんです。他にも色々と行ってみたいのですが、今はまだよく分からないので、これから徐々に見て行きたいです。」

-尊敬している人
「【THE BLUE HEARTS】の甲本ヒロトさんが大好きなんですよ。」
彼(甲本ヒロトさん)の、飾らない姿に心を打たれた。
「かっこつけてないところがかっこいいんですよ。ライブも見に行ったことがあるんですけど、僕が見に行った時は、素っ裸でライブしていたんです。女性ファンとか来てるのに大丈夫!?ってびっくりしたんですけど、『俺は歌で勝負してるんで』っていうスタイルがかっこいいなぁと。かっこつけた言葉も言わないんです。普通は、『今日は、□□のためにありがとう』みたいなこと言うでしょう。そういうのが全くなくて、喋るのは『次はこの曲歌うね』とか『(マイクや楽器の)位置を変えるね』ぐらい。すごい激しく踊って。見てて鳥肌立つぐらいかっこいいですよ。プライベートでも何度かお会いしたんですけど、本当あのままの人でかっこいい。かっこつけることは誰だってできるんです。かっこ悪いのがかっこよく見えるのはすごいなって。そういうオーラを持った人は好きですね。親交とかはあまりないんですけど、中学校の頃から大好きな人なので、今まで色々な方にお会いしてきましたけど、甲本さんにだけは震えました。上手く喋れなくて『こ、ここ、こんにちは。』みたいな(笑)」

-自分にとってのグラウンド、そしてガイナーレ
「グラウンド…命じゃないですかね。自分の心臓というか。サッカーがあって、自分のプライベートがある感じがするので、すべてサッカーを基準として生きてる。サッカーが良いと普段も楽しいし、気分もいい。試合に勝ったときのオフとか最高ですよ。やっぱりね、(試合に)負けた時のオフだと羽目も外せない感じになるんですけど、勝った時は何でもあり!ってぐらい気持ちいいじゃないですか。本当に命というか心臓ですよね、サッカーは。」
16年という長いプロ経験を積んできた岡野選手。彼のガイナーレ鳥取への入団は私たちにとって希望でもある。優勝という目標に手が届きそうな今、彼の力がガイナーレを強くする。
「もう僕も37(歳)だし、来年以降どうなるかも分からないけど、とにかくどこへ行っても命をかけてやる。自分が出来ることを全力でやれればいいかなぁと思います。言うのは簡単なので、行動で表現するのみというか。例え怪我しようと何しようと、とにかく全力でするのが全てだと思うし、チームのために体を張ります。勝つために来たので、自分が目立とうとかそういうのはどうでもいいんです。チームが勝たないと目立っても意味がない。そういったものはチームが勝った後に付いてくるものだと思っているので、ただ【勝つ】のみです。」

第1回 サッカーの面白さを知った少年、プロとして世界に飛躍する
第3回 居酒屋店長と野人、食について語る

Profile
岡野雅行(Masayuki Okano)

1972年7月25日生まれ。松江日本大学高等学校。日本大学。大学卒業後、浦和レッドダイヤモンズ(94年~01年8月)-ヴィッセル神戸(01年9月~03年)-浦和レッドダイヤモンズ(04年~08年)-TSWペガサス(09年2月~09年6月)-ガイナーレ鳥取(09年8月~)96年にはAFCアジアカップ UAE大会、98年にはFIFAワールドカップ フランス大会、99年にはコパ・アメリカ パラグアイ大会出場。[身長/体重]175cm/71kg