池本 喜巳 / 写真家

Tottori Key Person / No.015
池本 喜巳 / 写真家

山陰の人々を撮るというテーマのもと写真を撮り続ける写真家 池本 喜巳さん。写真家になろうと決めた理由、植田正治氏に師事して感じたことなどを伺いました。

■写真家になろうと決めた理由
もともとはイラストレーターを目指して、日本海新聞社に入社しました。そこで写真も撮って欲しいと一眼レフを渡され、仕事をしていくうちに、自分には写真の方が向いていると気づいたんです。私はフットワークで動くのが好きなタイプでもありましたので。それならば写真学校でもっと学ぼうと思い、19歳の頃に大阪の写真学校へ進学、卒業後は萩原健写真スタジオに入社しました。そのスタジオは徒弟関係が強く、失敗すれば殴られ蹴られの世界でした。4年間ほど徹底的に修行していましたが、家庭の事情で鳥取に帰郷。今の事務所を設立しました。植田正治氏との出会いは、26歳の頃。東京で発表した私の写真を見て声をかけてくださったのです。本当にかっこよくて憧れましたね。そのとき、芸術写真を撮る『写真家』になりたいと強く思い、写真家になることを決意しました。

■植田正治氏に師事して感じたこと
植田正治氏に師事したのは、一緒にヨーロッパを旅したとき。修行を積んだおかげで、例えば「植田正治が今あの写真を撮っている。過去の写真から考えると次は望遠レンズがいるな。」とか、直接言われなくても分かったんですね。それで、先に準備して待っていると「こいつは普通のやつと違う」と、アシスタントを頼まれたんです。1978年には植田正治・寺山修司・奈良原一高氏という当時日本のトップクラスの人たちと、フランスで年に1度開催される『第9回アルル国際写真フェスティバル』に2週間行きました。そこで、写真とは何か・世界の写真のレベルはどのくらいのものなのか・世界に通用する写真とはどういうものなのかを思い知らされましたね。今の自分では駄目だと思い、それからは植田正治氏から色々なことを盗みました。本当の写真とは何か・写真を撮る姿勢とは何か・写真を撮る心とは何か。すべて言葉では言い表すことが出来ないものばかりでした。

■「池本喜巳」のこれから…
「写真のワークショップ」 場所:植田正治写真美術館
池本氏を講師にワークショップを行います。
■ 第1回 スライド上映会
8月9日(日)13:30~16:00
定員30名 参加費1,000円
■ 第2回 写真ってなんだろう?
8月30日(日)13:30~16:00
定員30名 参加費1,000円
■ 第3回 プリント制作のレクチャーと体験
10月11日(日)13:30~16:00
定員20名 参加費1,000円
【お問い合わせ・お申し込み】
植田正治写真美術館 TEL0859-39-8000 HP http://www.japro.com/ueda/

■今後の活動について
写真家の条件、それは生涯を通したテーマがあるかどうかなんです。それを私は、山陰の人々を撮るというテーマに絞ってやってきました。「大山が紅葉になったから撮りにいこう」とかではなく、「こういうものを撮る」と決めたら20年30年とかけて、ずーっと撮り続ける。『近屋店屋考』という写真集は25年かけて作り上げました。姿勢を変えず、一生かけて続けていくだけです。写真家には国家資格があるわけでもなく、自他共に認めなければしょうがない。同じテーマでシャッターを切って最期を迎えたとき「あぁ、あいつは写真家だった。」と人に言ってもらえるかどうかです。だから、これからもやることは変わりません。

■お問い合わせ
有限会社 池本喜巳写真事務所
鳥取市吉方温泉1丁目655-5
電話(0857)23-5639
HP http://www.ikephoto.co.jp/

池本 喜巳
Yoshimi Ikemoto

1944年、鳥取市生まれ。1967年に日本写真専門学校を卒業し、1970年、鳥取市に池本喜巳写真事務所を設立。1977年から植田正治氏に師事。1984年、銀座ニコンサロン(東京)での『そでふれあうも』を始め数々の展覧会を開く。鳥取市文化賞・鳥取県出版文化賞・経済産業大臣感謝状など受賞。山陰の人々を撮るというテーマのもと写真を撮り続ける。